コラム

障害支援区分の申請と利用できるサービスについて

障害者総合支援法には、様々な障害福祉サービスが用意されています。そのサービスの中には障害支援区分の認定を受けていないと利用できないサービスがあります。みなさんの中には障害支援区分という言葉は聞いたことはあるけど、「そもそも障害支援区分ってなに?」「どうやって手続きをすればいいの?」など疑問に思われている方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は障害支援区分について解説していきます。

【目次】
1.障害支援区分とは
2.区分によって利用できるサービスが異なる
3.障害支援区分の申請について
4.まとめ

1.障害支援区分とは

障害支援区分とは、障害者総合支援法において、「障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示すもの」と定義されています。1〜6の6段階に区分が分けられており、その数字が大きいほど必要とされる支援の度合いが高いということになります。

2.区分によって利用できるサービスが異なる

障害福祉サービスの中には障害支援区分の認定を受けなくても利用できるサービスがある一方で、認定を受けていなければ利用できないサービス、認定を受けたとしても一定以上の区分でなければ利用できないサービスがあります。下表は障害支援区分の認定が必要なサービスの一覧です。

 

居宅介護や短期入所は区分1~区分6のいずれかが認定されれば利用が可能となります。通所の生活介護は区分3以上であれば利用が可能で、50歳以上の方であれば区分2でも対象となります。このように区分によって利用できるサービスが異なります。さらには、該当する区分であっても年齢や本人の状態によって利用の可否が変わってきます。

※障害支援区分の認定は、原則18歳以上の方が対象です。よって、18歳未満でも利用が可能なサービス(居宅介護や短期入所など)を利用する場合には、障害支援区分の認定は不要となります。

3.障害支援区分の申請について

では、障害支援区分を認定しもらうためには、どこへ申請するのか、どのようなプロセスで認定されるのかをみていきたいと思います。

 

1)市町村への申請
お住まいの市町村の担当窓口に申請をします

2)認定調査員による調査
認定調査員と面談を行います。80の認定調査項目に沿って聴き取りが行われます。
①移動や動作等に関連する項目(12項目)
起き上がりや歩行、えん下など
②身の回りの世話や日常生活等に関連する項目(16項目)
食事や口腔清潔、排泄、金銭の管理、日常の意思決定、買い物など
③意思疎通等に関連する項目(6項目)
視力聴力、コミュニケーションなど
④行動障害に関連する項目(34項目)
感情が不安定、昼夜逆転、大声・奇声を出す、落ち着きがない、こだわりなど
⑤特別な医療に関連する項目(12項目)
点滴の管理、ストーマの処置、気管切開の処置、じょくそうの処置など

3)主治医の意見書
疾病や身体の状態、行動や精神等の状態に関する意見を書いてもらいます。主治医がいない場合には、意見書を作成してもらえる医師を探す必要があります。主治医が決まれば、書面のやりとりは市町村と病院で直接行われます。

4)一次判定
「認定調査員による調査」と「主治医の意見書」をコンピューターにて判定します。

5)二次判定
一次判定の結果、認定調査員による特記事項、主治医の意見書を基に市町村審査会にて区分が認定されます。

このように障害支援区分を認定するには様々なプロセスが必要となります。そのため、認定されるまでには申請してから早くても1〜2ヶ月かかります。障害支援区分の認定が必要なサービスの利用を検討されている方は早めの申請をおすすめします。

4.まとめ

ここまで、障害支援区分について申請方法や認定プロセス、利用できるサービスの種類などをみてきました。下記にポイントをまとめました。
・障害支援区分は1〜6までの数字もしくは非該当に分かれています。
・区分によって利用できるサービスが異なりますが、障害支援区分の認定が不要なサービスもあります。
・障害支援区分の認定は原則18歳以上の方が対象となります。
・医師の意見書が必要なため、主治医が必要となります。
・申請をするには、市町村の担当課が窓口となりますが、様々なプロセスが必要となるため、認定には早くても申請してから1~2ケ月かかります。

 

参考
・厚生労働省ホームページ