コラム

採用活動のオンライン化と法人の取り組み

新型コロナウイルスの流行にともない、学生の就職活動においてオンラインを活用するということは近年では当たり前になってきました。会社説明会やインターンシップ等をオンラインで開催する企業も増えており、企業側としても新たな人材との出会いにオンラインを活用していくことは必要不可欠ともなってきています。今回は、実際の採用活動のオンライン化の話と合わせて、当法人でのオンライン化の取り組みについて話していきたいと思います。

【目次】
1.オンライン化の動向
2.オンライン化のメリットと課題
3.当法人の取り組み
4.まとめ

1.オンライン化の動向

ZENKIGEN社とシード・プランニング社の共同調査によると、採用活動にオンラインを活動する理由として、「新型コロナウイルスの感染拡大対策」が94.5%と一番多く挙げられ、それ以外に「時間や距離にとらわれない面接の実現」が29.1%とありますが大差をつける結果となりました。一方で「2020年に新卒採用活動のオンライン化を進めた企業」は57.6%と半数以上の結果となっており、「2021年以降もオンライン化を継続する予定である」と答えた企業は75.0%とコロナウイルス感染拡大を理由としてオンライン採用を始めたものの、その活動にメリットを感じている企業が多いということも分かりました。

また、就職みらい研究所が行った調査によると、就活生のうち半数以上がオンラインでの個別企業説明会を経験しており、約70%がオンライン面接を経験していることが分かりました。しかし、オンライン面接を10社以上経験している学生が約15%いる一方で、未経験の学生が約30%いる等就職活動の経験値も個人により幅があるという現状もあります。オンラインでの個別企業説明会を希望する学生は38.4%、オンラインで面接を希望する学生は22.6%とオンラインでの就職活動を希望する学生の割合はそれほど高くはありません。理由として「会社の雰囲気を感じにくい」「働くイメージができない」という声が挙がっており、オンライン化が進む中やはり対面での就職活動を希望する傾向ともなっています。

2.オンライン化のメリットと課題

実際に採用活動のオンライン化におけるメリットとはどういったものなのでしょうか。

・「学生の利便性向上」

就職活動のオンライン化に消極的な学生もいる反面、好意的にとらえている学生もいます。理由として「金銭的、時間的な負担が軽減され、地方学生と都市学生の就職に関する格差が緩和された」「WEBの方がスケジュールを立てやすく、交通費もかからない」「移動時間がなくなり、授業との両立がしやすかった」等がありました。交通費の負担軽減や地域格差の解消も学生にとっては大きなメリットをもたらしています。

・「企業イメージの向上効果」

採用活動の急速なオンライン化は、企業と学生の双方にとって不安の大きいものでしたが、世の中の情勢を踏まえ、積極的にオンライン化を進める姿勢は、従来の方法にこだわらない柔軟性があることや、入社後も在宅ワーク等がしやすく働きやすい企業であることをアピールでき、学生にとっても印象の残るものです。

・「採用活動の効率化」

場所を問わずに会社説明会や面接を実施できることは、これまでの会場の確保や予約管理といった手間が不要となります。全国規模で採用を行っている企業であれば、出張にかかっていた費用や時間を削減しつつ、全国の学生と接点をもつことが可能です。オンライン化のメリットがある一方で課題もあります。いくつか挙げていきます。

・「学生との接点の確保」

全国の学生と接点を持ちやすくなる一方、リアルのイベントで発生していた学生との偶発的な出会いが減ることも確かです。合同説明会等では、たまたまブースの前を通りかかった学生が興味を持って立ち寄ってくれるという機会がありましたが、オンライン説明会では興味のある企業や業界をピンポイントで予約するのでそのような機会はほぼありません。そのため、学生との接点をどのように創出するかが課題となります。

・「自社の魅力の訴求」

直接会社に来る機会がなくなるオンラインでの採用活動においては、WEBでのやりとりのみで自社の魅力を伝えなければいけません。職場の雰囲気や社風、空気感等はオンラインで伝えることが難しく「他社と差別化を図ることができなかった」と感じる採用担当者は少なくありません。オンライン上でも学生と適切なコミュニケーションをとり、自社の魅力を十分にアピールすることが課題になります。

・「ミスマッチの防止」

直接コミュニケーションがとれず定性的な情報の見極めが難しいことは、企業と学生の双方にとって不便といえます。人柄やポテンシャルといった履歴書やESからは読み取れない情報をオンライン上で見極めることは困難です。また、学生にとっても会社のビジョンや熱意といった面を感じることが難しくなっています。お互いの理解不足は入社後のミスマッチや早期離職の原因となるため、相互理解を深める工夫をすることが課題です。

・「内定から入社までのフォロー」

対面よりも多くの企業に応募がしやすいオンラインでの採用活動においては、学生の志望度がわかりにくいという声もよく聞こえてきます。インターンシップや内定者交流会といったリアルの施策をとりにくくなったことにより、学生の入社意欲が不安定になりやすい傾向があるようです。オンライン上だけでやりとりをしていても、いまいち入社する実感が持てないと感じる学生も見受けられます。内定を出した学生に対し定期的なフォローを行い、モチベーションを維持する施策が必要ですが、それらをオンライン上でどのように実現していくかが課題です。

3.当法人の取り組み

では、当法人で近年取り組んでいる採用活動についてお話します。当法人でも新型コロナウイルスの流行による世の中の情勢に合わせて、一昨年よりインターンシップや会社説明会等にオンラインを導入し取り組んできました。また、それに合わせて法人内で「求人チーム」を発足させて、幹部から若手職員までが協力をしながら採用活動に取り組んでいます。採用活動のオンライン化に取り組む中で私たちが一番に考えたのは「オンラインでどのように当法人の魅力を伝えるか」ということでした。私たちの仕事は、実際に障がい者の方と接しながら支援を行います。そのため、画面を通すとどうしても伝わりにくいものもでてきてしまいます。そのため、日々「これでよいのか」等、求人チームのメンバーで話し合いを行いながらよりよい採用活動を行っていけるように努めています。

4.まとめ

さて、今回は近年の採用活動のオンライン化について簡単にお話させてもらいました。皆さん、自分の就職活動の時と比べるとどうでしたでしょうか?私自身、自分が就職活動をしていた時と今ではまったく違うことがほとんどなため、戸惑うことも少なくありません。しかし、このような採用活動を積極的に行っていくことで新しい人材との出会いがあり、障がい者の方々への支援の幅を広げていくことになるのだと私自身考えています。今後も少しでも多くの人にこの仕事の魅力が伝わるよう尽力していきたいと思います。

 

 

引用:新卒採用のオンライン化の動向や実施メリット・課題と成功ポイント | 人事ZINE (offerbox.jp)

https://offerbox.jp/company/jinji-zine/saiyo-online/