災害「その日」に備える・・・ 君と。

私が所属しているG&Cホーム・つうきんでは、職員対象の施設内研修が年間通して定期的に行なわれ、職員のスキル向上と生活支援の場で活かされています。
今年度から新たに利用者さん向けの講習を企画し、7月は外部講師を招いての「歯磨き講習」、12月は看護師による「手洗い講習」と2回実施いたしました。
今回は12月に行われた手洗い講習を中心にお話したいと思います。
【目次】
1.手洗い講習の実際
2.利用者さんの感想
3.まとめ
1.手洗い講習の実際
最初にパワーポイントで手洗いの必要性や正しい洗い方の動画を見せながら分かりやすい言葉で説明をし、講習後は実際に手洗いを実践していだたきました。その際、手洗いチェッカー(蛍光塗料を汚れに見立て手につけて、ブラックライトで手をかざすと洗い残しが光る装置)を用いて洗い残しがないか職員と一緒に確認し、洗い残しがあった方には、どこを意識して洗うと良いかをアドバイスしました。洗い残しで一番多かったのが、爪と指間、次に手首でしたが、中でも手に傷や手荒れを起こしている方は、傷周辺や手荒れ部分に塗料が入り込んでおり十分に洗えていないことが分かりました。手荒れを起こしているとウイルスや細菌が落ちにくくなるので、手荒れを起こさないように日頃から意識して予防ケアしていくことが重要であると再認識しました。講習中は皆さん静かに聞いておられ、手洗いに対して嫌がる様子もなく参加された方全員に手洗いチェッカーを体験していただくことができました。

2.利用者さんの感想
講習を受けてみてどのように感じてもらったのか参加者全員にアンケートを実施させていただきました。「講習を受けて頭に残っていることはありましたか?」の質問に対し、「動画が分かりやすかった」「手洗いチェックが分かりやすかった」「洗ってもいっぱい手に汚れがついていた」
「楽しかったけど、むずかしかった」「出来ていないことがあると気付いた」など様々な感想をいただきました。コロナ禍で手洗い習慣は身についているものの、それが正しい方法で行なえているかどうか、洗い方の癖などは、なかなか自分では気付き難いので、洗い残しが可視化できたことで、自分の弱点を知り、新たな発見や手洗いを見直すきっかけになったのではないかと思います。

手洗い講習に対して半数以上の方が「楽しかった」と回答していただきましたが、約2割の方が「わからなかった」と回答されました。
続いて、「来年も講習があれば聞きたいですか?」の質問には、一定数の「わからない」の回答がありましたが、約8割弱の方が「聞きたい」と回答していただき、講習に対して多くの方が興味を示してもらえていることが分かりました。
3.まとめ
初めての試みにあたり、利用者さんが講習をきちんと聞いてもらえるのか、行う意味があるのか正直不安もありましたが、皆で一斉に「学ぶ」という機会はこちらが作らないと触れられないものだと思います。心理学者エビングハウスの実験によると、人は1度覚えたものは1時間後に56%忘れ、1日後に74%忘れてしまうが、何度も復習すれば記憶が定着することが確認されています。今回で終わりとせず、これからも継続的に利用者さんが楽しみながら学べるよう工夫を重ねながら、ともに学び成長し健康意識を高めていけたらと思います。