コラム

「ポニーのコナン君から学んだ、やさしい関係のつくり方」

【はじめに】

みなさんは、ポニーとお散歩をしたことがありますか? 「ブルーミングハウス」の隣には年老いたポニーのコナン君が住んでいます。コナン君は、毎日のんびりと敷地内やその周辺を馬主さんと散歩しています。 コナン君との時間は、癒しのひとときであると同時に、人との関わり方や支援のあり方を考えるきっかけにもなっています。今回は、馬を通して気づいたことを共有し、やさしい関係のつくり方について考えてみたいと思います。

【目次】
1.コナン君の紹介
2.馬主さんのコナン君への愛情
3.馬との関わりから学ぶこと
4.まとめ

1.コナン君の紹介

コナン君は、施設のまわりを毎日ゆっくり散歩しています。5月19日で31歳になりました。ポニーの寿命は平均30歳、とっても長生きなおじいちゃんです。ある日、空き地を歩いていた時のことです。コナン君は草の成長具合を見ながら、「今日はこの草にしようかな」と選んで食べていました。 ところが、目をつけていた草が刈られて短くなっていたことがありました。その時の「えっ、なんで?」というような表情に馬主さんが気が付きました。コナン君は少し考えた後、別の場所へ移動。自分が食べたら此処の草が無くなってしまうと、草の成長まで考えて食べる行動に驚かされたそうです。

2.馬主さんのコナン君への愛情

散歩中は手綱をつけますが、馬主さんはコナン君の気持ちを尊重し、少し緩めて歩かせています。でも、いざという時には対応できるよう、姿勢はしっかりと保っているのです。 馬にも個性があり、真面目な馬ほど無理をして心が折れてしまうこともあると聞きました。馬の世界では、心が折れても助けてもらえない現実もあります。コナン君は「頑張りすぎないことが上手くできる馬」だったので、長生きできたのです。

3.馬との関わりから学ぶこと

コナン君とのふれあいを通して、私は支援のあり方を振り返りました。障害のある方々は、世界の見え方に個性があるかもしれません。その「個性」が壁になることもあります。
自閉症で作家の東田直樹さんがその著書(『自閉症の僕が飛び跳ねる理由 ― 会話のできない中学生がつづる内なる心』エスコアール、2007年)の中でその例を示しています。
「僕は小さい頃はわかりませんでした。どうして自分が障害者だと気づいたのでしょう。それは、僕達は普通と違うところがあってそれが困る、とみんなが言ったからです。」
繰り返し「違う」と言われ続けると、誰だってつらくなります。けれど、違いは悪いことではなく、その人の「らしさ」でもあります。
大切なのは、その個性を変えることなく、社会との橋渡しをすること。どうすれば暮らしやすくなるかを、一緒に考える姿勢が支援には必要だと感じました。

4.まとめ

障害は本人にあるのではなく、社会との間にある。だからこそ、支援員には、その人に合った声かけや環境づくりが求められます。支援は一人ではできません。ブルーミングハウスでは看護師、理学療法士、相談員、栄養士、作業指導員、生活支援員など、さまざまな職種が協力しながら利用者さんの支援にあたっています。
馬主さんが、コナン君に寄り添いながら守る準備をしているように、支援員もまた、いつでも利用者さんを支えられる姿勢を持ちながら、見守る関係を築いていきたいと思います。