コラム

障がい者の方の芸術活動について

こんにちは。
私は住まいの場(垂坂山ブルーミングハウス)で働いており、今回はそこでの芸術に関する取り組みを発信したいと思います。芸術に関しては、「障がいがあるから」というものを超えて利用者の方の発想の豊かさを表現できるものだと思っています。なお、上記の貼り絵作品も過去、市長賞を頂いた作品になります。

目次:
1.芸術活動について
2.当法人の利用者作品の紹介
3.芸術活動担当者へのインタビュー
4.まとめ

1.障がい者の方の芸術活動について

国では障がい者の方への芸術活動支援として、障害者芸術文化活動普及支援事業を行っており、令和3年度予算額338,500千円となっています。 その役割として、地域における障がい者の自立と社会参加の促進を図るため、全国に障がい者の芸術文化活動に関わる支援センター等の設置を行い、支援の枠組みを整備することにより、障がい者の芸術文化活動(美術、演劇、音楽等)の普及を支援するとされています。三重県でも、都道府県レベルにおける活動支援拠点として三重県障がい者芸術文化活動支援センターが設置されています。
障がい者の方の芸術活動の枠組みを国・地方自治体含め支援を行っている現状があります。
当法人でもそのような中で芸術分野に力を入れてきています。その理由としては、障がい者の方が楽しく過ごすための一つの道具として個々人の魅力ある芸術作品を多くの方に見ていただきたいとの思いからです。
以下では、当法人の芸術活動の様子・取り組みを述べていきたいと思います。

2.当法人の利用者作品の紹介

当法人では、一つずつ細かなことでもしっかり作品にされていること、しかも楽しそうに行っている人が多いというのがこの芸術活動に力を入れ始めたきっかけでした。
障がい者の方の芸術完成品を見ていつも思うことですが、その発想は私にはできないなということです。その障がい者の方の作品を今回いくつか紹介していきたいと思います。

①この方は過去に知事賞を取得されています。ラインスタンプも販売中です。

 

②この方は奨励賞等の賞を取得されています。

3.芸術活動担当者へのインタビュー

当法人では芸術分野の担当者を置いております。その方へ現状の当法人の芸術活動について等インタビューをしました。

Q1.芸術活動をしてみて新たな発見は?

「夢中になっていることをもっと伸ばしていく支援が利用者さんにとって良いのでは」とある職員から言われたことがあります。
「駄目だよ、そんなことしないで」と職員が思っても、利用者の方が楽しんでいる行為が個々の能力を伸ばしていくのかなとその時感じました。
そのような支援が新たな作品に繋がっているのかなと今は感じています。
また何回も活動をしていく中で絵等に個性が出てきてその人らしい作品になってきています。自分たちの自信につながっているのではないかなと思います。

Q2.支援者として芸術活動に取り組んでみて思ったことは?

我々支援者には、利用者の方が楽しんで行えることを増やしていくこと、また楽しんでできる時間を継続することが求められることの一つだと思っています。実際に、利用者の方からいつ活動をするのか聞いてこられると私自身もうれしい気持ちになります。
現在、作品を額に入れて飾っていますが、他の人の作品を見て鑑賞することにより、その絵等に対する自分の感想等も利用者の方も言えるようになり、それが利用者の方の支援の糧となる瞬間があるのがうれしいです。

Q3.三重県障害者芸術文化祭への出展について

12月3日(金)、4日(土)に津市芸濃文化センターで展示する予定です。
当法人では出展を毎年行っています。
昨年度は、奨励賞1名の方が受賞されました。過去には、知事賞や特別賞、市長賞等を受けており、利用者の方の中には、次は賞をもらえるように頑張ると言ってくれる人も多いです。

4.まとめ

利用者の方の中には、捨てるような紐や袋を結んでいることに集中している方が見えます。最初は、ゴミだと思って捨ててしまうものでも、我々支援者が素敵なアートとして考えることで新たな発見につながります。芸術作品とすることで褒めることが増え、より利用者の方の充実した人生を応援することにつながると思う今日この頃です。