コラム

タウンミーティング

タウンミーティング(対話集会):主に地域住民の生活に関わる事項を話題とする集会。一般には行政当局または政治家が実施する対話型集会を指す。英語圏では同名の地方自治制度との混同を避けるためにタウンホールミーティング(英:town hall meeting)と呼ぶのが一般的である。
タウンミーティングは、政治家・行政主催のものが一部で認知されています。当法人でも数年前に、法人主催で地域住民の方、利用者の方のご家族、行政側(主に障害福祉課職員)にご参加頂き法人に求めることなどを中心に話し合う集会を開催しました。また企業では、タウンホールミーティングという形で行われている事例があります。(ex.ソニー平井社長:タウンホールミーティング)現在、法人周辺地域のまちづくり推進協議会の組織内でも、タウンミーティングのような集会が頻繁に開かれています。私はそこに参加しています。

目次

1.そもそも「タウンミーティング」って何だろう。
2.羽津のタウンミーティングでの話題。
3.地域住民活動の必要性は?
4.まとめ

1.そもそもタウンミーティングって何だろう。

ウィキペディアにも文頭のような説明や、そのノート欄にはタウンミーティング(日本)とか今までに開催されたタウンミーティングについての記述が多くなされています。そもそもは米国でジミー・カーター大統領が実施した対話型ミーティングに由来します。これはフランクリン・ルーズベルト米大統領の「ファイヤーサイド・チャッツ(炉辺談話)」に傚ってカーター大統領個人に対する親近感を高めることを目的に開催されたとされています。これ以降、行政当局や政治家が実施する「非公式」「対等の立場で発言できる」会見・会合をタウンミーティングと呼ぶようになります。日本においても現在、地方首長主催のもの、大学関係のネットワークなど多くの「タウンミーティング」が開催されています。目的はもちろん、一人でも多くのステークホルダーから運営主体が意見を汲み取りたい、施策に民意を反映させたいと言う思いや、情報交換・ネットワークの拡充を目的としているものもあります。一方で、タウンミーティングを成功させたいがために「やらせ問題」が発覚したことも過去にありますが(タウンミーティング小泉内閣の国民対話)多くの人の意見を運営に活かせるのであれば、対話自体、活用することは大切であると考えます。
世界的企業でもあったあの“ソニー”再生の立役者である平井前社長も就任期間(2012年~2018年)の6年間をタウンホールミーティングという形で、社員との対話を深めその足掛かりを掴んだそうです。ここで平井氏が重要視したのは自らのスピーチではなくその後のQ&A。そこでのルールは「ここにはルールはない」何を聞いてもいいということ。平井さんが振り返る、
『私は結局、ソニーの社長を6年間務めることになった。その間、世界中の拠点を回ってタウンホールミーティングを開いて社員たちに語りかけてきた。その数は70回を超える。6年間は72カ月なので、だいたい毎月1度は世界のどこかの町でタウンホールミーティングを開いた計算になる。』 平井さんを中心に凄いエネルギーを持って対話を通じソニーは再生されていったと考えられます。
タウンミーティングは大勢の人が一同に会する訳ですが、、コロナ感染者の発生の少ない市町では令和3年度においても行政主催のタウンミーティングが例年通り開催されており、市民からの質問により活発な意見交換の様子がWEB上にアップされています。リモート開催の方式を取るところ、一方で首長が変わったからかコロナ禍が原因なのか突然、開催されなくなっているところもあり、現在の社会状況においてタウンミーティングの継続性の難しさを感じました。主催する組織の基本的な骨組み、骨組みがしっかりしていても基本指針の継続性にも影響を受け、外的な要因からも(今回のようなコロナ禍など最たる例ですね。)継続が危ぶまれたりしています。

2.羽津のタウンミーティングでの話題。

当法人が位置する羽津地区では、住民組織の中で開催される色々な会合にそのトップが参加し、多くの住民の意見を聞いたりトップ自らの想いを伝えたりしています。トップは、現在、住民組織の『羽津地区まちづくり推進協議会』の会長で「羽津地区連合自治会」の会長も兼任している住民組織のリーダーです。この方自身の性格上、強引な側面もありますが、自らが活動され、皆にそれを示す、私たちが活動に参加することによりこの組織がどんな意向でどんな方向に進んで行こうとしているのかが理解できます。たとえ反対意見が出たとしても、皆で噛み砕いて考えて会議を通し結論を出します。
昨年は、「コロナ禍における地域行事の再開について」が議論の中心でした。行政主催の行事が悉く中止される状況で、地域はどうしていくのか。子ども食堂の運営、盆踊り、運動会、文化祭、餅つき大会、避難訓練。もともと多くの地域行事を開催していたので、影響は大きい。どこの地域も同様の悩みを抱えていました。話し合いで、行事は中止した方がいいと言う意見もある中で、with  コロナの考え方が徐々に広まり、学校行事も中止の中でお互いに楽しむ機会もない子供たちの将来のことにも話題は上りました。結論、皆の意見は感染予防対策を徹底し、入場者の明確化、厚生労働省のアプリ・ココアのダウンロード、受付での検温・消毒を行い、広い会場を使っての盆踊りの開催が決定しました。多くの方に意見を求め、またリーダーからの組織の指針が示され、たっぷりの時間を使っての結論が出たのです。こうして皆の意見を出し合った羽津の盆踊りは昨夏3年ぶりに8月7日に開催され、事務局が準備したリストバンドは品切れ、予想を遥かに超える地域の方がお越し頂きました。難しいことや形式はともかく、組織の中心メンバーの考えが皆に伝わり、また多くの組織を構成するメンバーの意見、民意をくみ取ることで、次の行動に賛同を得て成功できると感じました。

皆で準備をした3年ぶりの盆踊り大会準備風景

3.地域住民活動の必要性は?

地域住民活動の特色はさまざまです。その地域の特性、住民の平均年齢、学校が近い、都市部にあるのかなど。現在、大きな災害が繰り返し発生しまた多くの家族は構成人数が減少する中でお隣さん同士の関わり、地域での助け合いと言うのは必要性が増しているように思います。誰でもが幸せに暮らしたい。一人で気ままに暮らしたい人もお見えになるとは思いますが、多くの方が助け合い意見やアイデア、要望を出し合ってより良い人生を送る工夫をしていくことが、今後重要となり、そのために民意を問う、選挙以外のもっと具体的な方策としてタウンミーティングというものを、形式にこだわらず開催して多くの方が何らかの方法で地域活動に参加していくことがより良い世界、みんなが幸せな生活を送る、誰一人取り残さないというSDGsにも繋がっていくと私は考えています。双方向の住民意識の共有が大切です。

羽津地区発信による『四日市徹夜踊りの祭典』(よんてつ)のミーティング風景。ZOOMも活用しています。
羽津地区では数年前から、四日市中の地域の盆踊りを共有しよう、皆で楽しもうということで、タイムレス(夜通し29時間開催)なイベントを実施しています。四日市の観光大使のマックさんと先述のまち協の会長を中心に障がい者スポーツ“ボッチャ”、マルシェ、28時間マラソンも共催し、昼も夜も大人も子供も国籍に拘らず多くの人が参加できるイベントを目指しています。人と人との関わりが減少しているからこそ、いろいろな手段を活用して、民意を問い、集団・組織の一人一人の意見を吸い取ってニーズを掘り起こしたりそれに応えていくことが組織の活性化に繋がると考えます。タウンミーティングと言うと大げさに感じますが調べてみると大小様々でそこかしこで開催されていますので、興味のある方は調べてみてください。少し巻末にも関連サイトを載せてあります。

4.まとめ

今回のコラムは、タウンミーティングから、地域住民活動の必要性に派生し、SDGsにも少し触れましたが、これらを繋いでいるのは『コミュニケーション』です。どのような形でも、お互いを知り理解し、行動していくことの必要性を感じます。人間は一人では生きてはいけないです。誰かしらと関わり、影響し合って生きています。コロナ禍の中で、タウンミーティングの是非が問われるところですが企業の中にはそれを好機として、バーチャルでの開催( バーチャルタウンホールミーティングで従業員エンゲージメントを高める)を想定しツールを活用しweb でのワークショップなどを提案しています。機器類も汎用化し手軽に使えるものも市場に多く出回っています。今後は、参加する、主催するいろいろな立場でタウンミーティングについて、考えてみてください。

出典
ウィキペディア
羽津まちづくり推進協議会
・平井前社長タウンミーティング:『ソニー再生』の秘密は1on1ミーティングにあった!(完結編) – 株式会社コーチビジネス研究所 (coaching-labo.co.jp)

参考サイト:
令和4年度「タウンミーティング開催業務」業務委託先を募集します – 愛知県 (pref.aichi.jp)
タウンホールミーティングとは?メリットや効果を上げるコツを企業事例とともに解説 | オンライン研修・人材育成 – Schoo(スクー)法人・企業向けサービス 
バーチャルタウンホールミーティングで従業員エンゲージメントを高める | 株式会社ソフィア (sofia-inc.com)