コラム

ブルーミングのグループホームについて紹介します

グループホームには高齢者を対象としたものがよく知られていますが、今回は知的障がい者のグループホームについて紹介したいと思います。グループホームの生活はアットホームな少人数の共同生活です。様々な年代の利用者さんが、一般的な住居で一緒に生活しています。利用者さんはある程度、身の回りのことは自分で行い、世話人や支援員はそのサポートをします。支援者は個人の課題を理解しながら、利用者さん一人一人の希望を実現するにはどうすればよいか、日々支援する中で試行錯誤を続けています。そんなグループホームでの利用者さんの生活の様子や支援者として感じることを紹介したいと思います。

【目次】
1.共同生活援助(グループホーム)とは
2.当法人のグループホームについて
3.利用者さんの過ごし方と支援者の関わり方
4.まとめ

1.共同生活援助(グループホーム)とは

障害者総合支援法による福祉サービスの一つです。厚生労働省による共同生活援助(グループホーム)の支援内容は、「主として夜間において、共同生活を営むべき住居における相談、入浴、排泄又は食事の介護その他日常生活上の援助を実施。利用者の就労先または日中活動サービス等との連絡調整や余暇活動等の社会生活上の援助を実施」とされています。具体的な利用者像は「単身での生活は不安があるため、一定の支援を受けながら地域の中で暮らしたい方、一定の介護が必要であるが、施設ではなく地域の中で暮らしたい方、施設を退所して、地域生活へ移行したいがいきなりの単身生活には不安がある方」とされています。

2.当法人のグループホームについて

当法人のグループホームは介護サービス包括型で2事業所あります。見守り度の高い「G&Cホームつうきん」と見守り度の低い「G&Cホームブルーミング」です。今回紹介するのは私が長年勤務する見守り度の低い「G&Cホームブルーミング」です。G&Cホームブルーミングは、住宅地の中にあり、羽津地域周辺に点在しています。全部で12か所、50人前後の方が利用しています。一人暮らしのグループホームもあれば、7人で共同生活するホームもあります。男性のグループホームが10か所、女性のグループホームが2か所で、利用者さんの年齢層は20代~70代、障害支援区分は2~6となっています。日中活動は個々の適正に合った福祉サービスを利用されており、当法人の生活介護事業所や就労継続B型事業所へ通所されている方もみえれば、外部の事業所を利用されている方もみえます。障害者雇用で一般就労されている方も多くみえます。支援者の訪問時間は短く、朝は6時30分~8時45分位まで、夕方は17時~19時までとなります。それ以外の時間帯は支援者不在で過ごされており、休日も同様で、比較的見守り度の低いグループホームと言われています。日中は各活動事業所や就労先と連絡を取り合っているので、日々の様子の確認ができています。夜間等、緊急時には電話連絡を中心に、必要に応じて様子を伺うこともあります。

3.利用者さんの過ごし方と支援者の関わり方

利用者さんは各ホーム内の役割分担があり、掃除や当番に取り組んでいます。自分の身の回りのことに加え、共同スペースの掃除や食事の準備等、みんなで協力して生活しています。一人暮らしの利用者さんは全部を自分でしなければなりませんが、相手を気にせず自分のペースで行えます。2人以上で暮らしているグループホームでは、相手と協力して行いますが、「相手がいる」というのは有難くもありますが、時にはトラブルの原因にもなってしまいます。「○○さんが当番をやらない」「○○さんが自分の分だけ食事を大盛にして僕の分が少ない」といったトラブルは日常的に繰り返されています。日々、色々なトラブルが起こる度に、支援者と一緒に解決する方法を考えていきますが、困難なことも多く、日々新しい対策や解決方法を模索し続けることが支援者には求められます。
利用者さんが基本的な生活リズムを保ちながら、健康で安全に生活できるように支援者は心がけています。掃除、洗濯、入浴に関すること、お金の使い方、余暇の過ごし方、仕事のこと、精神的な支援等、生活に必要なサポートは多岐に渡ります。時には対応が非常に難しいケースもあり、悩んでも悩んでも折り合いのつかないこともありますが、支援者が一人で抱え込まずに周囲に相談し、チームで解決できることが当法人のグループホームの強みです。また、利用者さんの生活を支援することで、支援者自身の生活を改めて見直し、視野を広げるよい機会にもなっています。

4.まとめ

グループホームの生活について利用者さんに伺うと、「嫌なこともあるけど楽しい」という声をよく聞きます。私は利用者さんが「楽しい」と感じられた時、自分、又は周囲はどのような関わりができた時だろうと振り返るようにしています。同様の場面でまた楽しいと感じて頂けるかはわかりませんが、より「楽しい」時間を過ごして頂けるよう努力をしていきたいと思っています。生きていく上で「嫌なこと」は必ずあります。利用者さんの感じている「嫌なこと」は、些細なことから深刻なことまで幅広いですが、一緒によい方向へ寄り添っていける逞しい支援者が増えていくと、利用者さんの「楽しい」も増えていくのではないでしょうか。

【参考文献】
厚生労働省