コラム

終活を考える

事業所内では毎年様々な研修を実施しており、数年前に終活について、今年度はエンディングノートについて学びました。法人内の利用者の「高齢化」、「病気」、「死」という場面に触れる機会が数年続いており、今後も増えていくと思われます。私たちは利用者の人生の最期とどのように向き合い、支援するのかを終活をテーマに考えてみようと思います。

【目次】

1.終活とは
2.エンディングノートとは
3.利用者支援における終活について
4.まとめ

1.終活とは

終活とはこれからの人生をよりよく生きるために、人生の最期を見つめながら亡くなった後に備えることです。昔は自らの死に備えてお葬式やお墓、遺言や相続など、“人生の最期に向けた準備”の意味でした。最近では「人生のエンディングを通じて、自分らしく、今をよりよく生きるための活動」と変わってきています。終活と聞くと、死後について考えるネガティブなものと思い浮かべがちですが、“未来を生きるためのポジティブな活動”として広く普及しつつあります。
終活でやるべきことは、お金の計画を立てる、老後の介護や医療について考える、お葬式・お墓を決める、遺言書を書く、生前整理をする、限りある人生をよりよく生きるといった6点がよく言われます。そのきっかけとして役立つツールがエンディングノートです。

2.エンディングノートとは

エンディングノートとは自分が亡くなった時、あるいは病気やケガ、認知症で判断能力が衰えてしまった時に備えて、必要な情報や希望を書いておくノートです。遺言書のような法的効力はありませんが、終活のさまざまな場面で役立ちます。
エンディングノートは、生い立ちやこれまでの人生をまとめた「自分史」として活用できます。自分を客観視することで、今の自分の立場や抱えている問題が明らかになります。現状を把握できれば解決の糸口が見えてくるため、これからの人生をどう生きるかを考えるヒントになるでしょう。自分が生きてきた証を家族や孫など後世に遺すことができ、また自分という一人の人間を見つめ、これからの人生における「生きがい」を見つけることにも繋がります。
終活は人生の最期に向けた準備だけでなく、今を自分らしく生きる活動であり、エンディングノートは自分を映し出し、これからの人生をより豊かにしてくれる未来ノートにもなります。亡くなった後に、お墓やお葬式、遺産相続など、遺された家族が死後の手続きをスムーズに進める手がかりとしても有効になります。

3.利用者支援における終活について

利用者にとって自分の死をイメージすることは難しいと思います。個々の利用者の理解度に合わせた取り組みが必要で、まず支援者が終活についてよく学び、理解して頂ける「説明ができる力」、「聴く力」、「汲み取る力」をつけることが大切ではないかと思います。
私たちは日々の支援で利用者といろいろな話をし、利用者支援を通じてその人自身の情報を更新していきます。個別支援計画作成時期には、生活や自身の振り返りをしています。今の自分を支援者と振り返り、より自分らしく生活するために必要なことを考える時間を定期的に設けています。それをさらに発展させてエンディングノートの作成に繋げられるとよいのではないかと感じています。しかし利用者自身、作成したい人、そうでない人、したくてもできない人、わからない人と様々な状況です。現状は、やってみたい人から取り組める環境を整えていくきっかけ作りの段階であると思っています。

4.まとめ

「死」は誰にでも必ずやってくるもので、備えておくことはとても大切なことです。ある日突然その日がやってくる、そんな経験をしたこともありました。若く、元気な利用者だから大丈夫ということは決してありません。今を楽しく生きることを考えながら、これからの人生を幅広く、最期の時も含めて考えていけるように、現場の支援を通して様々な知識や情報を更新していきたいと思います。

【参考文献】
いちばんやさしい終活ガイド