コラム

AI

はじめに

福祉業界は「アナログ」だと勝手に思い込んでいました。人とのかかわりが重要視されている私たちの仕事は、AIやITといった分野から、他の業界と比べて幾分遅れをとっていると思っていました。しかしながら、今やAI技術が進み、私たち福祉人の存在意義まで問われるようになってきました。

AI技術を活用すると、解決する事、スムーズにいく事が多くなってきました。

【目次】

1.福祉が抱える課題
2.そして今・・
3.まとめ~私たちの役目

1.福祉が抱える課題

まず福祉業界の課題で真っ先にあがってくるのが「人材不足」ではないでしょうか。少子高齢化が進み、介護を必要とする人が増え、その介護を担う人が常に求められ、福祉業界は「人材確保」ができず悲鳴をあげています。

そして次に、ひと昔前の言葉で言えば「3K」問題。今では「6K」まであり、キツイ、汚い、危険・・に、帰れない、厳しい、給料が安いがプラスされ、福祉業界のイメージはあまり良い印象がない事があげられます。なので「定着せず」「離職率が高い」という問題があります。福祉は人とかかわる仕事ですが、そのかかわりがストレスになってしまうケースも多い事も原因の一つかと思います。

加えて先程も挙げたように、「アナログ」業務が主流で、情報共有や書類の作成等は紙ベースで行われている場面も多く、このような背景がAIやIT技術の浸透が遅れていると感じてしまう要因になっているのかもしれません。

2.そして今・・

そんな福祉業界にもAI技術の波がやってきました。介護ロボットで、介護する人、される人のストレスも軽減され、話し相手にもなってくれるロボットも登場しています。見守りもしてくれて、異変があれば知らせてもくれます。支援者になり代わって、観察し、危険の予知もしてくれます。また、AIが利用者の日々の様子を記録したり、分析したりして、ケアプランや個別支援計画書を作成するという事が可能になってきました。これらの技術が向上することにより、私たちの日々の仕事は各段に整理され、今まで記録や作成に費やされていた時間を他の業務や支援に活用できるようになってきました。

しかしながら、メリットばかりではなく、デメリットもたくさんあるように思うのは私だけではないと思います。

「ホントウニ コレデ イイノ・・?」と。

3.まとめ~私たちの役目

確かに、私たち人間のやることには個人差もあり、クオリティも様々です。AIを超えるような記録力や、文章力、分析力・・・がある訳ではありません。でも、私たちにしかできない仕事があります。利用者さんの横に座って目を見て話し、優しく手や肩を撫でたり、一緒に笑ったり、泣いたり、悩んだり、同じ時間を共有する事で、目配せや、声のトーン等で、その方の心の動きが読める瞬間を感じ、支援者同士で変化や成長を確認し合い、喜んだり、ため息をついたりする事ができます。誰がやっても同じ仕事ではない事が、私たちの仕事の誇りでもあります。

AIによって10年後には無くなっている職業が挙げられている中、私たちのような福祉の仕事は「ヒト」にしかできない仕事だから、時代が変わっても、AIに仕事を取って代わられ、無くなる心配はないだろうと安心するのではなく、AIは私たちの仕事を補ってくれる・・と捉える考え方にシフトチェンジすると良いのかな思います。

これから益々AI、ITといったデジタルな分野は成長していくと思われますが、AIが得意な分野と、私たちヒトにしかできない仕事を上手く組み合わせながら、共存していく方法を探っていく事が必要だと思います。