コラム

給食をより美味しく、楽しくするために

施設生活の中で給食は楽しみの一つになります。入居型施設では、給食が普段の食事となるため、「美味しく」「楽しく」食べていただけるように、調理方法や盛り付けを工夫しております。

簡単ではありますが、四日市福祉会の厨房ではどのような工夫をしているか、ご紹介させていただきます。

【目次】
1.食事における視覚の大切さ
2.視覚で味わうための工夫
3.飽きない給食にするために
4.給食を楽しみにしてもらうために
5.給食を楽しみにしてもらうために②
6.まとめ

1.食事における視覚の大切さ

人は食事を「美味しい」と感じる時は五感を働かせています。五感とは味覚、聴覚、視覚、嗅覚、触覚の5つの感覚のことです。その中でも、私たちが料理を味わう際に最も頼っている感覚が「視覚」です。

食事が「美味しい」と思える要因の80~90%が視覚による影響であると言われています。料理を見た目で「美味しそう」と感じたり、目隠しをすると味がわからなくなるように、人は料理を味わう際、他の感覚以上に視覚に頼っているのです。そのため、食べてもらう方に「美味しい」と感じてもらうためには見た目にこだわることが重要であり、料理の彩りや盛り付けの仕方に工夫が必要になっていきます。

2.視覚で味わうための工夫

前文で視覚により料理の美味しさが大きく左右されるとお伝えしました。なのでこの視覚に注目し、実際に四日市福祉会厨房ではどのような工夫をしているのかをお話させていただきます。

彩りが良い料理とはどんなイメージをされますか?赤・黄・緑がバランスよくあると綺麗に見え、食欲も湧いてきます。また、黒も全体的な見た目を引き締めてくれる効果があります。提供された料理の彩りが良いかを考えて献立作成に努めていますが、献立作成をしている段階で彩りを想像していても、実際に調理し盛り付けて見ると茶色が多く目立ってしまうことも多々あります。それは食材の色が調理しても保たれるわけではないからです。なので、毎食の献立は写真を撮り、毎月献立の振り返りを栄養士で行い、反省点を挙げ改善点を考え、次の献立作成に反映させています。

3.飽きない給食にするために

先程から給食は見た目が大切とお伝えしていますが、見た目に重視するあまり、彩りを良くするためにと人参をたくさん使うと、「人参ばっかり・・・」という印象を与えてしまいます。視覚による影響が大きいからこそ起こる現象です。そうならないように、彩りを考慮しつつも1日前後で同じ食材を使わないように献立作成を行い、見た目に飽きが来ないように工夫をしています。

4.給食を楽しみにしてもらうために

四日市福祉会厨房では、給食が楽しみになるようにイベント食や新メニューの際、ポスターの掲示を行っています。文字だけの献立表を見てもなかなかイメージがつかず、興味も湧きにくいです。そこでポスター作成をし、掲示することを始めました。出来上がりのイメージ写真を添付し、馴染みのないメニューは説明文を入れ、視覚に働きかけるようカラフルに作成し、利用者の方の目につきやすい場所に掲示を行っています。ポスターを掲示することで利用者の方から「何日に〇〇が出るね!楽しみ!」「また貼ってください」など声をかけていただく機会も増えました。

5.給食を楽しみにしてもらうために②

普段の食事だけでなく、食後に甘いものを楽しんだり、いつもと違った食器や盛り付け方で特別感を感じたり、食べ馴染みのないものを食べてみることは、普段の生活の中に楽しみが増えることでしょう。
四日市福祉会厨房ではデザート作りや季節感を味わえるもの、食べ馴染みのないものを提供することに力を入れています。
実際提供したことのある献立を写真にて紹介させていただきます。

☆10/31ハロウィンメニュー☆

☆ブルーミング特製ブルーベリーチーズケーキ☆

☆イギリス料理特集☆
・シェパーズパイ ・フライドポテト ・スコッチブロス ・ビクトリアケーキ

6.まとめ

食事を「美味しく」「楽しく」感じるために見た目や真新しさが大切だということをお伝えしてきました。四日市福祉会では半期に1度嗜好調査を行っています。食べてみたい料理や、また食べたい料理などを聞き取り、献立に反映していきたいと思っています。また、苦手な料理も出てくると思いますが、彩りや盛り付けに工夫をしていき食べていただけるようこれからも努めていきます。

給食は、栄養価を考慮して献立作成している上、大量調理という特性から普段皆さんが外食する先で出てくるようなお洒落で豪華なメニューを高頻度で出すことは難しいですが、1ヶ月に1度でも楽しみになるような給食をこれからも提供できるよう頑張ります!

 

【参考文献】

視覚で食欲を刺激して、食べるチカラを育む
食の五色~色彩と栄養バランスの美味しい関係