コラム

就労継続支援B型と就労アセスメント

就労継続支援B型は障害福祉サービスの就労支援の中で最も利用者の多い事業です。これから利用を検討されている方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ利用しようと思って障害福祉課などの担当課に申請に行っても、まずは就労アセスメント(就労アセス)を受けてくださいと言われることがあります。では、この就労アセスメントとは一体何なのでしょうか?どのような手続きが必要なのでしょうか?
今回は、就労継続支援B型を利用する際の就労アセスメントについてご説明します。

【目次】
1.就労継続支援B型とは
2.就労継続支援B型の対象者
3.就労移行支援事業者等によるアセスメントを受けるには
4.今回のまとめ

1.就労継続支援B型とは

就労継続支援B型は障害福祉サービスの一つです。このサービスは、「一般企業に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供を行う」というものです。就労継続支援A型と違い、B型では雇用契約を結ばないことから最低賃金を下回ること※がほとんどですが、専門的なサポートを受けながら自分のペースで働くことができるという点で魅力的なサービスとなっています。仕事内容も、軽作業や農作業、食品製造や販売など様々です。
※厚生労働省調査:令和2年度の全国の平均工賃は月15,776円

2.就労継続支援B型の対象者

身体障害、知的障害、精神障害、発達障害や難病のある方で、以下のいずれかの条件を満たす方が対象となります。

① 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業での就労が困難となった方
② 50歳に達している方
③ 障害基礎年金1級を受給している方
④ ①~③に該当しない方で、就労移行支援事業者などによるアセスメントで、就労面の課題が把握されている方

今回のテーマでもある④について、よく該当するのは、高校を卒業後に就労継続支援B型を利用する予定の方たちです。高校を卒業するまでに就労経験がある方はそれほど多くありません。また、障害基礎年金の受給は早くても20歳からです。このように高校を卒業する時点では、①~③に該当しないことがほとんどです。

3.就労移行支援事業者等によるアセスメントを受けるには

在学中であっても就労アセスメントを受けることは可能です。
まずは、就労移行支援事業者などによるアセスメント(就労アセスメント)とは何かについてご説明します。
「就労移行支援事業」とは、障害福祉サービスの中にある事業の一つで企業等で働きたい障害のある方に対して、働くために必要な知識やスキル向上のための支援を行う事業です。
「アセスメント」とは、人やものごとを客観的に評価・分析することです。
よって、就労アセスメントは、障害のある人が自分自身の「働く力」を最大限に発揮できるように就労支援の専門家によるアセスメントを受け、それを活用していくというものです。
では、このアセスメントを受けるにはどうすればよいのでしょうか。就労アセスメントを受けるには就労移行支援事業の利用が必要となります。就労移行支援事業も障害福祉サービスの一つですので、居住する市町村の担当課(障害福祉課等)への申請やサービス等利用計画の作成が必要です。受給者証が発行された後、就労移行支援事業所にて実際に作業等をしながらアセスメントを受けていくことになります。アセスメント期間は、事業所によりばらつきはありますが、数日~数週間となっています。

4.今回のまとめ

みなさんいかがでしたでしょうか。繰り返しになりますが、就労継続支援B型を利用するには就労アセスメントが必要な場合があり、これを受けるには就労移行支援事業を利用する必要があります。少し複雑な部分もありますので、就労継続支援B型の利用を検討されている方は、早めに市町村の担当課や担当の相談支援専門員にご相談ください。

参考
・厚生労働省ホームページ