モチベーションの仕組みと向き合い方ついて
「自分のモチベーションとどう向き合っていくか」
仕事をしていく中で、意欲的に活動できている時、何か気持ちが上がらない時、何度もそういった経験をしてきましたが、皆さんはいかがでしょうか?
今回は、モチベーションやコミュニケーションについて、少しですが考えていきたいと思います。
【目次】
1.モチベーションとは
2.モチベーション理論とマズローの欲求5段階説
3.まとめ
1.モチベーションとは
「結果を招き寄せるための行動を起こすスイッチ」であり、そのスイッチのきっかけを生むのが【欲求(ニーズ)】と言われています。欲求は、不足している状態から回復を求める「欠乏型ニーズ」と、不足がない状態から更に良い状態を目指す「欲求型ニーズ」に分かれます。これらのニーズが大きい程、それに比例してモチベーションも大きくなります。この「欲求」と「モチベーション」がいかに深い関係にあるか、今回はモチベーション理論とマズローの欲求5段階説に基づき考えていきたいと思います。
2.モチベーション理論とマズローの欲求5段階説
モチベーション理論には【モチベーション1.0、2.0、3.0】があります。1.0は、人が生理的に持つ欲求を満たす行動のことで「生理的動機付け」と呼ばれており、自身や社会の生存維持のための原始的モチベーションのことで、マズローの5段階欲求の「生理的欲求」にも置き換えられます。2.0は、「外発的動機付け」と呼ばれ、言い換えると「アメとムチ」を活用して、やる気を起こさせる方法と言えます。ストックオプションやインセンティブなど、何らかの報酬に対して仕事を頑張ろうというモチベーションを生み出します。3.0は、ダニエル・ピンクにより提唱された、人を動かす動機付けの方法で「内発的動機付け」と呼ばれています。社会貢献のために行動する、楽しいから仕事をする、自分を磨くために努力するといったことがこれに当たります。「自主性」・・いつ、だれと、どんな課題を、どのように取り組むか、自身で主体的に決めて行動できる、「成長」・・自身が掲げた目標に対して、努力を積み重ねること、「目的」・・個人的な欲求を満たすという利己的なものではなく、社会全体への貢献や組織やチーム全体の成長など利他的な目的を指す、という3つの特徴があります。そして目標を設定する上で大切なのは、掲げた目標が努力によって必ず成し遂げられると信じること、現状の自分の実力では成し遂げられないものであること、この2つがポイントになります。どの動機付けによってモチベーションが維持、向上されるかは人によって違いがあると思いますが、個人的には「内発的動機付け」がモチベーションの継続には必要だと感じています。マズローの欲求5段階説は、人間がどのような内発的動機で行動するかを説明する理論です。人間には以下の5つの欲求があるとされています。
1段階:「生理的欲求」-水、食べ物、睡眠
2段階:「安全の欲求」-経済的、雇用、住宅、健康
3段階:「社会的欲求/所属と愛の欲求」-家庭、友人、職場での関係
4段階:「承認欲求/自尊心」-認められること、職場で昇給すること
5段階:「自己実現の欲求」・・夢と可能性を生きる
「生理的欲求」の階層から、その欲求が満たされることで、次の階層の欲求が行動を支配していくという説です。欲求とモチベーションには深い関係があり、欲求→モチベーション→行動→結果という流れとなり、そのサイクルを繰り返しながら更なる上の欲求に上がっていきます。しかし、ここで注意しておかなければいけないのは、「デモチベーション」という現象もあるということです。これは文字通りモチベーションを低下させてしまうことですが、例えば自発的に活動していたボランティアの人に「報酬」を支払うようにしたところ、その人のモチベーションが低下しまった、というケースです。より高度な内発的なモチベーション(3.0)を、報酬という外発的な動機付け(2.0)によって、デモチベーションにつながってしまいました。マズローの5段階説では、5段階に人に対して、2段階の施策(経済的安全)を実施していることになります。もちろん、報酬などのインセンティブを活用することも有効だと思います。しかし、それが本人にとってよほど魅力的なものでないと、効果が薄れる、逆効果になってしまう可能性があることを認識しておくことも必要です。
3.まとめ
何によってモチベーションを維持できるか、上げていけるかは、人によって様々です。また、その時々によって内容も変化していきます。普段の何気ないやりとりの中での「ありがとう」「助かってます」などの感謝の言葉や、一つの物事をやり遂げた時の達成感、役割や自分の仕事を認められた時など、どういった時にモチベーションが上がるのか、日常の業務の中でそういった部分を、いつもより少し意識して取り組んでいくのも良いかもしれません。そして、それは自分以外の人にも同様です。「自分を知る、相手を知る」そのためには円滑なコミュニケーションがとれる環境にしていくことが大切なのだと思います。
【参考文献】
モチベーション3.0とは?ダニエル・ピンクが提唱する21世紀のモチベーション | GoodFellas (vision-hack.co.jp)