コラム

新人職員・2年目職員合同 フォローアップ研修報告(前編)

「新人職員・2年目職員合同 フォローアップ研修(R3.6)報告~前編~」

当法人では人材育成の一環として5年目までの職員を対象にフォローアップ研修を実施しています。フォローアップとは、「すでに始めたことや習ったことを確認し、強化するために、ある程度時間が経ってから、もう一度行うこと」です。入社してからの数ケ月~数年間は、経験したことのない業務を次々に習得する必要がありますが、短期間に多量の情報を覚えるのはとても大変なことです。そこで、支援の根幹となる知識(障害特性など)を復習する機会として、また、社会人として基礎力(コミュニケーション能力など)を養う機会として、フォローアップ研修を設けています。

今回は、新人職員および2年目職員合同で行ったフォローアップ研修の様子を、一部ではありますがご報告致します。※前編・後編に分けてのご報告となりますのでご了承ください。

目次:
1.理事長からのあいさつ(前編)
2.緊急時対応講習会(前編)
(窒息、てんかん、心肺停止・一次救命処置)
3.グループワーク(後編)
(自己紹介、所属事業所・部署紹介)
4.まとめ(後編)

1.理事長からのあいさつ

研修冒頭において当法人理事長柏木三穂よりあいさつがありましたので、一部抜粋してお伝えします。
柏木三穂理事長―(冒頭の挨拶、業務連絡は略)皆さんご存じの通り、当法人では「周囲を大切に思い理解に努める」「自立を支える」「より多くを学び成長する」という3つの理念があります。そして本年度からは、その3つに加えて、新たに「すべては未来のために」というスローガンを作りました。一新するホームページにも掲載し、法人内外の方に知っていただこうと思っています。その意図は、職員ひとりひとりの成長が、利用者の方々へのより良い支援につながり、それがまた皆さんのモチベーションや働き甲斐となっていくという、そのような好循環を経て、法人として未来志向で成長していきたいという思いを込めています。法人と地域の方々にとっての明るい未来のために、皆さんの協力と成長は欠かせません。そのために、今回の研修をひとつの機会として、頑張っていただきたいと思います。また、普段ではなかなか顔を合わすことの少ないメンバーが揃っていると思いますので、交流を深めるチャンスとしても活用していただきたいと思います。では、よろしくお願いします。

2.緊急時対応講習会

講師:谷岡看護師 G&Cホームブルーミング/つうきん所属
緊急時対応講習会では、窒息、てんかん、心肺停止・一次救命処置について講義を行いました。知的障がい者施設では、てんかんや心疾患、その他基礎疾患を有する方が多く入所されています。また、入所利用者の高齢化もあり、誤嚥や窒息のリスクは高く、心肺停止・一時救命処置の手技習得は必須な事項となっています。
以下、講義で使用した資料も交えながら講義について記載致します。

【緊急時対応】
・窒息
1.早期に「窒息」を認識する
2.周囲へ知らせる
3.(軽度の場合)咳を促す
4.異物を喀出させる

咳によって異物を喀出できない場合、また重度の気道閉塞の場合、異物を喀出させるための緊急処置を行います。その方法手段として、腹部突き上げ法(ハイムリック法)や背部叩打法があります。

【けいれん発作が起きたときの対処方法】
・てんかん
・家具や危険なもの(鋭利なもの、ストーブなど)を遠ざける。
・衣類の襟などは緩める。
・食事中、食後に発作が起きたときには、食物が喉につかえていないか注意する。
・発作中、または発作後に嘔吐することがあるため、吐きそうになったら、ゆっくりと顔を横に向けて、吐物が喉につまらないようにする。

【観察ポイント】
・けいれんは何分続いたか。
・どのようなけいれんだったか。
・よびかけに反応するか。
・手足の動きや目の動きはどうか。
上記以外に「意識がぼんやりする発作がおこったときの対処方法」「救急車を呼ぶ目安」などについても学びました。

・心肺停止・一次救命処置
【心肺停止について】
心肺停止につながる恐れのある疾病(脳卒中など)の初期症状、高齢者の窒息や熱中症、その早期発見の重要性について講義を行いました。
【一時救命処置について】
心肺蘇生とAED(自動体外式除細動器)の実技指導を行いました。以下が手順です。

・安全確保、反応の確認
救助者の安全を最優先し、二次災害を防ぐためにまずは周囲の安全を確認する。

・救急、緊急通報
大声で叫んで助けを呼ぶ。周囲の人に急変であることを伝え、看護師または管理者への連絡、119番通報、AEDの手配を依頼する。

・呼吸確認と心停止の判断
普通の呼吸が確認できたら、回復体位(横向き)にして救急車を待つ。呼吸をしていない、もしくは正常な呼吸ではない場合は心肺蘇生法を開始する。

・胸骨圧迫を開始
胸骨圧迫から始める。人工呼吸は可能であれば行うが、胸骨圧迫のみでも構わない。

胸骨圧迫-胸の真ん中に手の付け根を置き、肘を真っすぐ伸ばし上半身の動きで、少なくとも5~6㎝程度は沈むよう、1分間に100回のテンポで圧迫を繰り返す。

参考)日本ACLS協会ガイド㏋
1時間という短い講義時間ではありましたが、非常に充実した内容で、参加職員にとって有意義な時間となりました。
前編は以上となります。グループワーク(自己紹介、所属事業所・部署紹介)の様子、
まとめは「新人職員・2年目職員合同 フォローアップ研修(R3.6)報告~後編~」にてご報告予定です。