コラム

管理栄養士・栄養士の仕事について

皆さんは管理栄養士・栄養士と聞くと、どういう仕事をイメージしますか?
管理栄養士・栄養士には様々な役割があって、活躍の場があります。
今回は簡単にではありますが、資格取得からそれぞれの役割、そして、実際に私たちの当法人での仕事内容をご紹介してきたいと思います。

【目次】:
1.管理栄養士・栄養士とは
2.管理栄養士・栄養士になるには
3.管理栄養士・栄養士の活躍の場
4.当法人での仕事内容の紹介
5.まとめ

1.管理栄養士・栄養士とは

管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。病気を患っている方や高齢で食事がとりづらくなっている方、健康な方一人ひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理を行い、栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格で、主に健康な方を対象にして栄養指導や給食の運営を行います。
管理栄養士・栄養士は、個人や集団に食事や栄養についてアドバイスをしたり、それぞれ対象の方に合わせた献立を立てて食事を提供したり、栄養状態の管理を行って、皆さんの健康をサポートしています。

2.管理栄養士・栄養士になるには

管理栄養士・栄養士になるには、高校卒業後に管理栄養士養成課程もしくは栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門学校に入学し、所定の単位を取得して卒業することが必要です。管理栄養士は、管理栄養士養成施設で学び、管理栄養士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けて「管理栄養士」になることができ、栄養士は、栄養士養成施設で学び卒業することで、都道府県知事の免許を受けて「栄養士」になることができます。また、栄養士養成施設で学んだ人も、卒業後に栄養士として働き、実務経験を積んだのち、管理栄養士国家試験に合格すれば「管理栄養士」になることができます。
実務経験期間は、大学の栄養士養成課程を修了した人は1年以上、短大や専門学校で3年修業した人は2年以上と決められています。短大および専門学校で修業したのが2年ならば、実務経験期間は3年以上必要です。

3.管理栄養士・栄養士の活躍の場

管理栄養士・栄養士の活躍の場は広く、医療施設、老人福祉施設、介護保険施設、児童福祉施設、障がい者福祉施設、小・中学校、行政機関、企業等で働いています。
医療施設で働く管理栄養士・栄養士は、患者の病状に合わせた栄養管理をしなくてはいけません。栄養管理を徹底しなければいけない患者はもちろん、他の病気でも治癒力を高めるために一人ひとりに合わせた栄養管理が必要です。医師や看護師、薬剤師と連携を図りながら、医療チームの一員として、必要に応じて栄養指導も行います。医療における栄養の専門職としての高度な知識や技術が必要になります。福祉施設(老人福祉施設、障がい者支援施設等)で働く管理栄養士・栄養士は、施設や地域で生活する高齢者や障がい者が自立して快適な生活を過ごすことができるよう、一人ひとりの生活状況、身体の状況に応じた食事の提供と栄養管理を行います。高齢者や障がいのある方は、身体の機能が低下することによって、食べ物が食べにくく、飲み込みづらいことがあるため、少ない量でも適切な栄養が摂れるように献立を工夫して健康をサポートしています。保育園や児童福祉施設、小・中学校で働く管理栄養士・栄養士は、給食管理や食事指導をおこない、子どもの健康維持や成長をサポートします。子どもたちに食の大切さを伝える食育をおこなうことも大切な役割で、食材の収穫・観察・調理といった体験を通して、食に対する関心と知識を深めます。行政で働く管理栄養士・栄養士は、保健所や保健センター、地方自治体などに勤務し、地域住民の健康づくりをサポートします。代表的な業務として、特定保健指導や乳幼児検診時の個別栄養相談などが挙げられます。また災害時には被災地に派遣され、アレルギー対応食品や高齢者向けの食品、病気を患っている人向けの食品の提供、食に関して配慮が必要な人への個別栄養相談などを行います。企業で働く管理栄養士・栄養士は社員食堂や社員寮、大学の食堂などに勤務して、献立を作成したり、栄養についての正しい情報を提供したり、働く人や学生の毎日の健康づくりをサポートします。他にも、スポーツの現場や薬局やドラッグストア、最近では歯科診療所にも管理栄養士を採用しているところもあります。このように、管理栄養士・栄養士は様々な場で活躍することができ、とてもやりがいのある仕事です。

4.実際に私たちの仕事内容の紹介

当法人で私たちが普段行っている業務としては、主に献立作成、発注、在庫管理、調理、栄養ケア・マネジメント、災害食の管理等です。3.で話したように私たちの仕事は、利用者の方が自立して快適な生活を過ごすことができるように献立を工夫して健康をサポートしています。一部、過去に私たちが書いたコラムもありますので下記を参考にしてみてください。

・四日市福祉会での献立作成から提供までについて
・栄養士にとって栄養ケア・マネジメントとは
・食事形態や個別対応について

私たちは利用者の方とのコミュニケーションを大切にしながら、献立作成に反映するようにしています。また、厨房には管理栄養士・栄養士だけでなく、他にも職員がいますので、管理栄養士・栄養士だけで話し合うのではなく、他の職員も交えながら献立について話し合い、調理工程や味付け、彩り、食材の大きさや固さ等の意見の交換をして日々、献立の改良を行いながらより良い食事を提供できるように工夫しています。当法人では、地域に根差した施設運営を行っていますので、厨房としては、地域の業者から新鮮で美味しい食材を納品していただいています。災害食についても、支援員や利用者の方から意見を聞いたりして日々見直しを行い、いつ何が起こっても対応できるように非常食訓練を行って、施設全体で取り組むように計画をしています。

5.まとめ

このように管理栄養士・栄養士には様々な仕事や活躍できる場があります。管理栄養士・栄養士に少しでも興味がある方がいらっしゃいましたら、詳しくは(日本栄養士会)をご覧ください。また、全国にある養成校についても(管理栄養士・栄養士養成校案内)を参照ください。

【参考】
・厚生労働省 管理栄養士国家試験
管理栄養士とは?なる方法・仕事内容・就職先等について解説
管理栄養士・栄養士とは
管理栄養士とは?